- 2007年6月24日 14:25
- テリスの日記
私がまだ人間だった頃のこと。
私は民衆から死霊術士と呼ばれていた。
それは私が人の命を操り、時には冥界からその魂を呼び戻す、素晴らしい術を心得ていたからだ。
人々はその術を禁忌と見なし、封印していたようだが、私はそうは思わなかった。
この術を極めれば、死など恐れずに済むからなのだ。
そうして私は研究を続けた。
師匠もラヴィニアも私を止めたが、気にしなかった。
ある日、研究は完成した。
死んだ動物の魂を、この世に呼び戻す術だった。
新鮮な肉体であれば、完璧な状態に戻すことができる、素晴らしい術。
私は早速人間にも通用するのか、試してみた。
しかし、それがまずかったようだ。
夜な夜な人が消えていけば、街は騒ぎになる。
私はすぐに囚われの身となってしまったのだ。
恐らく、ラヴィニアが裏切ったのだろう。
私は民衆の目の前で磔になり、業火の中で絶命した。
しかし、私は死ななかった。
肉体が滅びても、魂だけをこの世に留めることができる術を身に付けていたからだ。
私はすぐに新しい身体を探した。
そう、それは胎児。
まだこの世に生まれ出ない身体、それが最適だったのだ。
私はとある村の妊婦の腹に宿り、再び身体を得た。
しかし栄養が足りなかったのか、私の身体はすぐに死んでしまった。
こんな貧しい村では駄目だ。
そう思ったとき、私の耳にある噂が飛び込んできた。
領主に世継ぎが誕生するらしい。
私の身体に死を与えた領主に子供が生まれる......。
領主の子供であれば、人間が育つ環境に不都合はないだろう。
そして、生まれた子供が私だと知れば、彼はさぞ絶望を味わうだろう。
私はすぐに、領主のもとに向った。
新しい身体を手に入れるために。
そして、復讐をするために......。